気の合うふたり旅 Vol.3
- 2019.06.10
二日目は喜久屋から車で30分、江戸時代から鮭の街としても名高い「村上市」へ。村上藩の城下町として栄え、鮭だけでなく「村上牛」や「村上茶」などの名産品ととともに歴史の浪漫に溢れたエリアとなります。
温かみのある手作りの木や竹製品が吊るされた「ゑびす屋」さんを覗いたり、江戸自体から残る町家づくりの酒店「吉川酒舗」さんでは、映画の舞台として使われた興味深いエピソードを教えてもらったり。
「町家再生活動」に取り組んでいる村上の通りの餅菓子屋「岩船家」さん。旧家を改修したその佇まいには古民家の趣が溢れています。地元の醤油や味噌、名産の村上茶などを使う餡のかかった「十輪寺串団子」は、上品かつ深みのある甘さが絶品です。
昼食は創業二百年の老舗魚屋「越後村上うおや」の直営店「海鮮一鰭(いちびれ)」さんがお勧め。私設文庫を兼ねるモダンな店内では、身の厚い天然岩牡蠣をはじめ新鮮な魚介を使った食事が注文できます。中でもお勧めなのが「うおや塩引き御膳」。塩引鮭の大ぶりな切り身をメインに、刺身と小鉢、ごはんにお吸い物が付いて値段はとても良心的です。
江戸時代から続く創業390年の老舗「千年鮭 きっかわ」さんへはお土産を探しに。天井にぶら下がる無数の鮭の姿と、延々と引き継がれてきた食文化の深さに圧倒されます。レジ前の囲炉裏傍には甕に入った天然水が用意されており、買い物の途中でもほっと一息つけます。
村上を後にしたら気分を変えて列車の旅。天然記念物でもある「笹川流れ」を目指して「村上駅」から羽越本線で「桑川駅」へ。日本百景にも認定される「笹川流れ」は、日本海の荒波が生んだ新潟屈指の景勝地。無数の奇岩に絶壁、洞窟などが海岸に全長11kmに渡って広がります。
二人が浜辺に降り立った時間は、日暮れに傾き始めた陽射しが煌めくように海原を照らしていました。
神秘的な眺めを前に、ゆっくりと過ぎていく静かな時間。
四季の自然風景と掛け流しの温泉に、通年味わっていただける山菜と旬の食材にこだわった日本料理。気の合う友人と一緒だからこそ楽しめる、心からのリフレッシュはいかがでしょう。